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コミュニケーション新接点 ―商品と顧客の“出会い方”の再構築に向けて―

消費不振が深刻だ。不振の要因とその対策が様々に提言されている。
本特集では、消費不振を商品(サービス)と顧客との“出会い方” にズレが生じているのではないかという問題意識をもとに提言を行っている。
  その“出会い方” を変革して成功した典型事例がサントリーの「ハイボール」といえよう。
「飲み方提案」と「居酒屋をメディア」としたコミュニケーションの革新で四半世紀にも及ぶウイスキー需要の下落を止めただけでなく、再び再成長の緒につくことを可能にしている。(「ハイボール」事例の詳細は、本誌同時掲載の特別セミナー講演録を参照)。
  「ハイボール」成功事例のポイントは、商品そのものに手をつけることはなく、マーケティングコミュニケーションのみの革新によって、市場を活性化したことだ。つまり商品と顧客の“出会い方”を変えることによって、低迷し続けた市場の活性化を可能にしたということができる。
このような事例は様々なマーケティングの局面でみることができる。
そこで本特集ではこの“出会い方” の事例とその分析を中心に今後のマーケティングコミュニケーションの革新を提言したい。


店頭を「出会い」の場にするメーカー力」

「あの日」から全てが一変した。スーパーに行って何を買ったらいいか迷うことが当たり前だった日常の買い物シーンは、激変した。
  被災された方々に心からお悔やみを申し上げるとともに、これから長く続く復興の道のりを少しでも前に進めていくために、我々がこれまで店頭から学ばせていただいことをここにお返ししたい。


1.なぜ、今、メーカー主導の店頭づくりが必要なのか

●低価格訴求の一面だけではPBは飽きられる

日本では長年根付かなかったプライベート・ブランド(以下PB)。景気低迷の流れから消費者の低価格志向に応えるよう大手流通が本腰を入れ、急成長を遂げた。
イオンのPB「トップバリュ」を例にとると、2003年度は約1,360億円の売上だったが、2009年度には3.3倍の約4,500億円となった。浸透を妨げる要因のひとつであったPBの品質に対する消費者の不安もかなり払拭され、PBは定着化の動きを見せた。

  しかし一方ではPBばかりの売場に消費者は飽きてしまった。
興味をそそるパッケージ、季節感や催事での演出、気付かなかったメリットを感じさせる機能訴求等などの店頭に慣れ親しんでいた消費者は低価格なPBの山積みだけでは満足できなくなり、PB市場は踊り場になりつつある。イオンが2007年に発表したトップバリュの2010年度売上目標7,500億円の達成は厳しい。

●ヒット商品も新商品も期待できない

少し古い話だが、「横綱は『該当なし』」というSMBCコンサルティングによる2010年のヒット商品番付に象徴されるように、売上を牽引してくれるヒット商品に恵まれない時代になってきた。
  さらに今年4月6日付の食糧新聞によれば、菓子業界では関東圏に工場を持つメーカーを中心に東日本大震災以降、包装資材の不足により発売予定の新製品の発売休止が相次いでおり、不足する包装資材を主力商品に充て生産を行うという。

  この動きは菓子業界に留まらず、各方面で見られることであろう。またこれを機に長年新製品を「配荷」するメーカーと、販促金を当てにして安売りに走る流通の一面が見直されるかもしれない。
  いずれにしても震災の影響はPBには追い風となる可能性もあるが、これからは低価格訴求やヒット商品・新製品に頼らずに「賢い消費者」と言われる日本の消費者に立ち向かわねばならない。

  流通も努力を怠っていないが、商品特徴の理解は当たり前だがメーカー側が高い。そこでメーカーが主導権を持ち、店頭を強化させる必要に迫られている。


2.ターゲットを絞る

●ターゲットを「子育て主婦」に限定

最初に具体的な事例として取り上げるのは、パナソニックが食洗機を筆頭に展開している「子育て家電」。
  家電製品を使って楽をすることが手抜きと思われないだろうか、という主婦の後ろめたさを、「子育てのための時間にあてるため」と視点の転換を図ったこのプロモーション。2003年度をピークに年々前年を下回る食洗機の市場を、2006年には前年比約140%に回復させた実績を誇る。

  ここで注目したいのは、5,000万を数える日本の全世帯を対象としたのではなく、そのうち子育てをしている10%の約500万世帯を対象にして購入動機をはっきりさせたことである。
白物家電でターゲットを絞ることは珍しかった。
さらにはお金に余裕のある富裕層を狙うのではなく、所得や預金の少ない若年層を狙うことも異例であった。

  しかし、子育て中の20代、30代にターゲットを絞ったからこそセールスポイントが明確になり、店頭でお客様に納得していただく点もはっきりとした。食洗機を使った経験もなく、子育ての合間のTVCMを見て売場に来た自由時間が少ない主婦に、短時間で的確な説明を行うことが出来たのである。
パナソニックは特定層に絞ってマス広告やブログ、店頭に至るまでの全ての消費者接点を一貫してコントロールし、食洗機の価値を変えたのである。

●タブーの「黒」でアラサー向けに

パナソニックでは2009年にアラサー世代にターゲットを絞って「ナイトカラーシリーズ」を発売した。
「夜の家事パートナー」略して「夜カジ」をコンセプトに、都市部の20代後半〜30代前半のシングル世帯に向けたものである。
  この層は家事をする時間が夜間や休日に限られることが多いため、効果的に家事ができる機能とデザインにこだわっていることに着目した。特にデザインに関しては、業界でダブー視されていた「黒」をメインカラーにしている。
  家事家電の売場では「黒」は非常に珍しく、店頭で商品の主張が強い。そして店頭でナイトカラーシリーズの商品を来店客の目に付く売場の出入口や特設コーナーでまとめて展示し、部屋の置いたときのイメージを想像しやすくしている。
ここでも子育て家電同様にターゲットの絞り込み、流通も巻き込んだ展開を見せている。


3.ブランド資産を活用したコラボレーション

メーカー主導の取り組みとしては、相乗効果が期待できるブランド同士でコラボレーションを行うことも挙げられる。商品開発を絡め、自社ブランドの価値を高める試みを続け、マス広告に頼らず店頭からの発信を行っている。

●クロスMDからスタート

そもそもこの施策はキリンの「一番搾り」から始まった。
1998年から同社は「一番搾り」の再活性化に着手。翌年にTVCFに登場する「なべぞこ大根」を商品化し、紀文食品から発売したことを契機に「一番搾り」は小売業の酒売場を飛び出し、おでんやお鍋の売場に登場。双方ともに売上を伸 ばした。
  その後こうした展開を他社も趣向を凝らし実施している。

●親和性の高い組み合わせ

お店で見てすぐに買いたくなった、という声が多く寄せられたと言われているのが、「午後の紅茶」のクッキーである。
キリンビバレッジと森永製菓とのコラボレーションで、キリンビバレッジの主力飲料「午後の紅茶」のシリーズ「ミルクティー」「ストレートティー」「レモンティー」それぞれを、「森永ビスケット」のクッキーやパイに練り込んで作られたお菓子で、両社は紅茶とお菓子でティータイムを定着させることを目論んだ。
  ビスケット市場活性化のため、食品スーパー等の店頭で「午後ビス」と称して大陳コーナーを設け、「森永ビスケット」のパッケージには紅茶研究家の監修によるコラムを掲載し、「森永ビスケット」で作るスイーツメニューとそれに合う「午後の紅茶」を店頭ツールで紹介し、お菓子売場に飲料とお菓子を融合させた売場を作ったのである。

●世界観を共有する異色の取り合わせ

「マジョリカマジョルカ」は、2003年に資生堂から発売された「自己演出願望の強い10代後半〜20代前半の女性達」に向けたメーキャップブランド。
パッケージや色味、そのネーミング全てに独特の雰囲気を漂わせ、個性的なメーク提案で長年支持を得ている。電波を使った宣伝を入れず、新商品のコンセプトに合わせツールを刷新。年2回発売に合わせ、売場を大きく変化させる。

  その「マジョリカマジョルカ」は、2010年春にロッテのガム「グラマティック」と3カ月限定で共同プロモーションを実施した。「マジョリカマジョルカ」はターゲット層に認知は高いが取扱い店舗数は約9500店で、資生堂では「限定的な顧客接点が課題」と捉えていた。
一方、「グラマティック」は約7万店で取り扱いがあるが、ターゲットのブランド認知を課題としていた。このため両ブランドで共同販促を行うことで、双方の強みを生かしつつ弱みをカバーし合える環境が作れると判断した。

  資生堂の宣伝制作部に所属する「マジョリカマジョルカ」の担当デザイナーが「グラマティック」のパッケージや販売台などもデザインし、ロッテが監修し制作。両ブランドの商品が展示できる販売台を店舗に設置した。
  この結果、「マジョリカマジョルカ」にとっては多面展開などによる露出度アップが図れ、「グラマティック」はブランドが強化された。
  また同年秋には「マジョリカマジョルカ」はハーゲンダッツとのコラボレーションを実施。
「マジョリカマジョルカ」ブランドとしての初の香水「マジョロマンティカ」と、ハーゲンダッツアイスクリームの「フォンダンショコラ」の共同プロモーションで、それぞれのブランドの世界観を通じて、相手ブランドの魅力を伝え合った。

●有名ブランドのアイコン化

自社ブランドを強化するために、他ブランドのパワーを借りるケースにも興味深いものが見られる。
  アパレルでは、ジュンのブランド「ロペ・ピクニック」が、水玉模様をモチーフにした16種類の洋服や雑貨を発売。
水玉模様は「カルピス」ブランドのシンボルで、「ロぺ・ピクニック」ブランドを知らない人にも商品に親しみを持たせられる。

  「コーセー」は、中期経営計画の基本施策の一つ、「新たな事業領域への取組み」としてこれまで実質的に未開拓であった男性化粧品分野に本格参入するため、「アディダス」のパーソナルケアを輸入・製造販売を行うことになった。
数少ない成長市場である男性化粧品市場への参入として、「KOSE」を冠さないブランドとして展開。
ドラッグストア等の店頭では、「アディダス」が前面に出たツールで印象深い売場を作り、これまで化粧品に興味を持たなかった男性を売場に誘導した。


4.流通の旬のテーマを活用

新しい価値の提示や大型ブランド同士のコラボレーションを通じ、メーカーの提案力を見てきたが、もうひとつ忘れてはならないのが小売業の売場のテーマに合わせたメーカーアプローチである。

●流通にテーマに合わせる

博報堂生活総合研究所の調査では、2010年の節分で「恵方巻を食べた」人が「豆まきをした」人を超えた。
ある地域の風習に着目し、CVSを皮切りに多彩なチャネルが販売努力を積み重ねた結果だ。

  流通は52週を基本として売場プログラムを構築している。地元の生活者に密着し、必要なものを提供するため、歳時に基づいた行事が基本となっている。ここにアジャストすることで、メーカーは売場を拡充させるチャンスを得られる。

  最近、急成長をした売場のテーマにハロウィン が挙げられる。
ハロウィン市場は2010年に600億円市場にまで拡大し、今後も増加基調にあるという。
ハロウィンは10月末に行われる海外の行事で、お菓子、服飾、雑貨・インテリア等にまたがる要素を持つ。シンボルが“カボチャ”という点も様々に転用しやすい。
一方、日本の10月は売場テーマが少なかったため、流通がこの行事を採用し、菓子メーカー各社が主力商品のパッケージや風味を変えて参入した。
また、日用品メーカーはカボチャをくり抜きランタンをつくる風習があることに注目し、ハロウィン限定の芳香剤を発売し、ドラッグストアの店頭で季節感を演出するようになっている。これまでドラッグストア業界が活用しきれなかった行事をメーカーがサポートしている。

●ツール次第でフレキシブルに

こうした取り組みは限定商品などの商品開発をしなくても対応が可能である。
例えば、某食品スーパーの店頭で「花見」をテーマにした売場づくりでお客様を迎えていた。
そこで満開の桜の木に見立てた販売台を使っていたのがグリコ。桜の木の花が咲く部分にチョコレート菓子「カプリコ」が陳列されていたが、その商品は桜とは関係のない「いちご」味であった。
「いちご」の色合いが桜の花と共通しているため、什器を流通の売場テーマに合わせて展開させて露出を高めた。

●テーマを掘り起こす余地はある

最近話題を集めているのが「イースター」(復活祭)である。ハロウィンと同じように、期間が長くイースター・エッグというシンボルがある。
そこで人々は行事を通じてインテリアとして楽しんだり、親しい人とプレゼント交換のきっかけにしたり、親子でクッキングをしたりと、多面的に楽しめる。そのため、イースターはお菓子から玩具まで幅広く売場のテーマとして活用でき、市場が拡大している。

  さらに、近年は健康をテーマに新たな大型の催事コーナーが誕生している。
春先には花粉症コーナーが作られるようになり、日用品だけでなくヨーグルトが大ヒットとなった。
昨年は熱中症対策コーナーが盛んに作られた。
昨秋のタバコの値上がりの前には、「ロッテ」が禁煙をされる人が増えることを見越し、「タバコをガムにしませんか」とキャンペーンを張った。

店頭写真1

セブン-イレブンの店舗では、15日になると和菓子がカウンター周辺に並べられる。これは偶数月の15日に年金が支給されることを見越し、ご年配の方の嗜好を採り入れた販促である。
  その他、CVS業界ではオペレーションの特性を活かし、納豆の日やアンパンの日といった「○○の日」のプロモーションを設けている。
また、小売業が実施する最も大きな催事の売場に絡むこともお客様との出会いを増やす。来店客をお迎えする入口脇の催事コーナーの春のレディースフォーマルウエアが飾られている場所で、エチケットとしてさりげなく制汗剤が並んでいた。
今は個店努力かもしれないが、1店での成功事例は横展開するチャンスとなる。


5.店頭ならでは、の体感させる仕掛けづくり

●差別化につながる「香り」見本の進化

店頭で購入するメリットのひとつに、自分の五感で商品を十分に確認できることがあげられる。
そこで、日用品、化粧品売場ではテスターの工夫が重ねられている。

  例えば、日用品では昨年、登場から46年かけて液体洗剤が製品販売統計の国内メーカー販売金額ベース、販売量ベースの両方で粉末洗剤を抜いたことが話題になった。超コンパクト液体洗剤の花王「アタックNeo」、ライオン「トップNANOX」が市場を牽引した。
  その売場では香り見本が各所に設置され、ゆすぎ回数を減らすことで得られる時短や節水のメリットと同時に、「香り」をセールスポイントのひとつとしていた。
「香り」へのフォーカスは、少し前から柔軟剤売場で始まっていた。「ダウニー」のヒットにより、流行に敏感な母親層が「香り」で商品を選ぶことが判明。
各ブランドが香りのテスター用のビーズを入れるツールに工夫を凝らした。花王の「ハミングフレア」の香り見本は、アイキャッチにもなるキャラクターのぬいぐるみ。それに商品の香りをしみ込ませた。

●お試しを誘う「さわって」

化粧品売場ではスキンケアは自分のお手元で試すことが多かった。しかし昨今は見本台に「疑似ほっぺ」が付いている。“ぷりぷり”の効果を体験させるだけでなく、何だろう、触ってみようと思わせ、実際に手に付けるよりも低いハードルで販売台への誘導できる。「疑似ほっぺ」にはイラストを使った指マークが付いていることも多く、一層の誘導効果を高めている。

  同じようにポイントメークでは若い女性のメイクの要「マスカラ」を各社が競って目立たせている。どのメーカーもテスターを設置しお試しをさせるが、既に自分はマスカラを塗っており、付け心地がわかりにくいことも多かった。そこで資生堂の「マキアージュ」では、店頭ツールに大きな瞳のイラストを描き、そこにマスカラを塗らせる工夫をした。使い勝手を経験できるし、ツールとして注目を集める機能もある。

  シャンプーの売場に行くと、P&Gの「パンテーン」は使用感を実感してもらうために、「使用前」「使用後」の髪の毛先の束を展示している。
これまで髪の毛束のサンプルはヘアカラー売場で色味を見せるために使われていたが、今回は手触りを試させるために使われている。
  ひとつひとつは細かいツールの使い方に過ぎないかもしれないが、ブランドスイッチの激しいカテゴリーならではの施策と言える。

●新たなカテゴリーでのテスター

これまで使われなかった売場にテスターやサンプルを設置しているケースも目立っている。
書店の店頭にはコミックの新しい売り方が見られる。
一般的に書籍は立ち読み禁止とされているが、ここでは敢えてコミックのサンプルを置き、1話程度の試し読みをさせる。読んで購読欲が増せば購入率が上がると考えてのことだ。
このように店頭ではお試しチャンスが増えている。

  大王製紙の「エリエール」ブランドから発売されたティッシュ「+Water」は、多くの店に販売台を設置した。
その最上部はテスター用にひと箱置けるようになっており、来店客はそこから自由にティッシュを出して試すことができる。
  またもっと具体的に商品を体験してもらうため、小売店のお手洗いに行くと手洗い石鹸やアロマグッズが置かれ、売場に並んでいることを案内している。
ホームセンターでは店内トイレの便座そのものの訴求をしている。こうしたスペースが今後さらに活用されると思われる。

店頭写真2

●フォロワーを作る体験POP

インターネットの普及とともに、メーカーが予想していなかった使われ方を消費者はSNSなどで口コミとして広げた。
その一方でメーカーが売上伸張を狙ったバズ・マーケティングの事例も数々挙げられるが、今ではメーカーがそれらを店頭POPに活用している事例が目に付く。

  資生堂はメンズ用ヘアメーク品「フォグバー」を女性に使うことを啓蒙した。宮崎あおいを起用したTVCMが始まる前に、店頭でも盛んに手書きPOPで女性の使用を訴求した。
  花王の男性シャンプー「サクセス」を使用する女子は“サクセス女子”と呼ばれた。爽快な使用感が女性に支持されたのだが、これもマス広告ではなくパブリシティと店頭POPを組み合わせの訴求が目立った。
この地肌をしっかり洗う男性シャンプー特有の特徴が、“肉食女子”に対する地肌ケアブームに結び付いたのかもしれない。


6.もう一度売場を見る

取り上げた事例には、周知のものもあるだろうが、いま一度商品の売場環境について考えていただけたらと思う。
そのためにはまず「現実」を把握すること。
店に足を運び、自社製品が売られている棚の場所や、棚の中での位置をお客様と同じ目線で見ること。 そこから様々な課題が生まれる。
売場に立った時何が見えるか。提供できる商品のメリットを伝える場所に置かれているか。
関心のないお客様に商品の存在を気付かせる店頭作りが出来ているか。
さらに言えばその商品の売場は今の場所でいいのか。

  Webや口コミなど店外で大量の情報を受けとってからお客様が来店されるようになった。
一方、店頭ではメーカーから一方通行の情報を発信する側面が大きい。
昔と変わらない価値訴求や売り方で、お客様の理解や好意を獲得できるのだろうか。
業界やチャネルで枠組みを固定し過ぎないことも必要であろう。
今ではチャネルをまたいで商品が販売されることも多く、チャネル自体も多様化している。それに応じ訴求手法も変化させるべきだろう。
  今まで挙げた店頭事例はメーカーがお客様といかに出会えるかを工夫したものである。

  日本人はカテゴリーを問わず商品を選ぶために店頭は必要で、昔も今も顧客接点の場所としての店頭の重要性は変わらない。
その店頭は常に変化をしており、注視し続けなければいけない。
そんな店頭を我々は調査領域として、今後も見続けていきたいと考えている。

(大槻、藤田)


※本提言「コミュニケーション新接点」は、「営業力開発」誌 2011年・No211号(編集発行:日本マーケティング研究所 執筆担当:チャネルマネジメント)へ掲載されています。尚、誌面では以下の様な構成にて続きます。

「コミュニケーション新接点」 商品と顧客の“出会い方”の再構築に向けて

T.店頭を「出会い」の場にするメーカー力
U.新販路開拓で切り開く消費拡大
V.「店頭ポジショニング」構築に向けたプロモーショントレンド
W.顧客への接近
X.顧客起点でメーカー営業の「復興」を


 
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