View Point 「ミンティア」

 

「ミンティア」シェア逆転のストーリー

口中清涼菓子「ミンティア」が発売されたのは1996年。長い間、先発する競合商品にシェアを大きく引き離されていた。 しかし2005年、販売数でようやく逆転に成功、金額シェアでも07年4月単月でトップとなった。 「ミンティア」は後発参入でなぜシェアを逆転できたのか?どのような戦略転換が行われたのか?

■先発優位の大きな壁

先発の優位性は、一言で言えば後発自らが陥る呪縛といえる。それは先発ブランドが作り上げた 世界観と同じ土俵で勝負をしてしまいがちであるということだ。 消費者にも先発ブランドは“一番売れているイメージ”、“カテゴリー代表イメージ”が蓄積され てしまっている。いわゆる慣性効果であり、「なんとなく」購買である。逆に言えばこの購買行動こそ、 マーケティングの究極の目標ともいえる。

■洗練さへの誘惑

「ミンティア」もこの呪縛からなかなか抜け出せないでいた。この呪縛からの脱出で検討 されたのがパッケージデザインの一新である。先発トップとの距離が縮まらない原因をパッケージ デザインにあると考え、この面でも先発の呪縛に絡め取られようとしていた。 パッケージデザインの変更を思いとどまったのは少数の消費者の声であったが、 その“決断”は、「ミンティア」シェア逆転の陰の隠れた要因であると考える。

■ボリュームゾーンの誘惑

呪縛の一つの要因にはターゲットや需要についての考え方にもある。先発ナンバーワンのメインターゲットは、 また市場全体のボリュームゾーンでもある。どうしても規模の大きい市場に目が行きがちで、ここでも同質化の罠にはまってしまう。 ミンティアは思いきって若い世代にターゲットを変更した。しかもターゲットを変更しただけではなく、 その基本にはブランド成長サイクルという戦略に基づく長期的なシナリオの存在は見逃せない。

■シンボルアイコン

「ミンティア」のプロモーションで核となったのが「MINTIA GIRLS」というシンボルアイコンである。 メディアミックスはマーケティングの基本だ。しかし、インターネットをはじめとするミックできる メディアの拡大は、下手をするとコミュニケーションの分散を招きかねない。 これによってマス広告と販促プロモーションを結びつけ、効率的な認知度アップ、特にパッケージを 強力に印象づけ、店頭での購買促進まで影響を及ぼしたのではないか。

■メジャー感

「ミンティア」のプロモーションのひとつの特徴が「メジャー感」の創出だ。 「数じゃ負けない!売上個数ナンバーワン」「MINTIA JAPAN 2007」と続くキャンペーンで、 「売れていている」「カテゴリーの代表」イメージをあえて前面に打ち出し、ナンバーワンイメージを強化している。

「ミンティア」のシェア逆転のストーリーには多くの学ぶことがあるが、中でも“ポジティブ発想”は重要である。 この当たり前のことが後発にはなかなかできない。つまりこの発想こそ、呪縛から脱する鍵ではないだろうか。