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■『箱』と「中身」の関係価値最近、海外の人から日本の魅力を聞く機会が多いが、その1つに、「小さな『箱』にいろいろなものがキレイに詰まっている」がある。例えば漫画。海外にも漫画はあるが、日本の漫画は「小さい枠(箱)の中に細かく描写が入っていて、こんな所にも!という楽しさがある」。例えば弁当。海外にも弁当(パックドランチ)はあるが、日本では「弁当箱に、いろいろなものがキレイに詰められている」。そういえば「おせち料理のお重」は、その最たるものかもしれない。例えば「箱庭」。これも海外にはないものだ。箱には、「まとめて運びやすくする」「中身を守る」「保管する」といった機能的価値がある。その機能的価値を追求させた箱の1つに、ダンボールがあり、発祥はイギリスである。また、箱自体に装飾を施して、装飾的価値を高めたものが、海外を含め古今東西の調度品として数多くある。では、最初に示した『箱』の価値は何なのだろうか。前述の機能的価値にも、装飾的価値にも当てはまらない。『箱』は主役ではないが、この『箱』がなければ中身も主役にはなれないわけであり、「中身の魅力を引き出す役割価値」とでも言おうか。そういえば、海外の人から、日本のお菓子の箱(パッケージ)も人気だ。これらの箱は、四角だけではなく、様々な凝った形もあり見て楽しい。(私も「箱で買ってしまう」ことが多々ある。近年、環境配慮やコスト削減でパッケージの簡素化が進んでいるのは、個人的には寂しく感じるが‥)一方、「箱物行政」と揶揄されるように、いくら箱だけ立派につくっても、中身が伴っていなければ、中身に合った箱でなければ、評価はされない。今号のテーマである「パーパス」も理念という言わば『箱』である。『箱』を活かして、いかに中身をつくれるかが重要である。 営業力開発 2023 Vol.2 No.243 企業価値向上のためのパーパスブランディング研究 なぜパーパスが必要とされるようになったのか パーパスがもたらすメリット ■弊社独自調査 生活者におけるパーパス意識 ■推進企業事例 「119 年目の大改革」の末に生まれたパーパス CSV パーパスを軸として施策・成果指標を設定するキリングループ スタートアップ・中小企業のパーパスブランディング パーパス先進企業ユニリーバによる「真のパーパス経営」 |